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独占的な母親が子供の同級生を玄関先で追い返す - 原告「妖異可視ビジブル」被告「見える子ちゃん」の著作権侵害裁判まとめ

原告「妖異可視ビジブル」、被告「見える子ちゃん」裁判まとめ
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独占的な母親が子供の同級生を玄関先で追い返す


原告著作物3話24頁~30頁(2016年)
被告著作物3巻82頁~89頁(2020年)
メディアミックス化/物実写映画(2025年)

  • 作品名: 映画『見える子ちゃん』
  • 公開日: 2025年6月6日
  • 原作: 泉朝樹『見える子ちゃん』(KADOKAWA『WebComic アパンダ』連載)
  • 監督・脚本: 中村義洋
  • 配給: KADOKAWA
  • 権利表記(著作権表示): ©2025『見える子ちゃん』製作委員会

【考察:両著作物における「独占的・威圧的な母親が子供の同級生を玄関先で追い返し、支配・交友遮断を行う場面」の演出上の類似性および被告著作物におけるシナリオ展開の不自然さ・依拠性の分析】

原告著作物(第3話24頁〜26頁)および被告著作物(第3巻83頁〜89頁/第21話)における、過干渉・独占的で威圧的な母親が、子供の同級生が玄関先を訪れた際に子供に対して教育虐待・支配的な言動を行い、同級生を拒絶・追い返して交友関係を遮断させる一連のシークエンスについて対照分析を行う。


1. 視覚的・構造的表現およびストーリー展開の明確な一致
両著作物においては、母親による子供の精神的支配および同級生の排除というテーマを描くにあたり、以下の通りコマ割り、人物の構図、表情描写、ストーリー展開の手順が著しく合致している。

  1. 同級生の玄関先への訪問: 子供の同級生(友人)が玄関先(門の外・玄関前)まで訪ねてくる(原告:3話24頁1コマ/被告:3巻85頁1コマ)。
  2. 威圧的・独占的な母親の冷淡な表情: 母親が眉をひそめ、冷徹・威圧的な眼差しで子供を見下ろす描写(原告:3話24頁4コマ/被告:3巻83頁3コマ)。
  3. 子供への勉強(成績や習い事)に対する理不尽な押し付け: 母親が多くの習い事を子供に押し付けている(原告:3話25頁5コマ)、母親が満点でないテスト結果(被告:98点)や勉強に関して母親が詰問・責め立てる(被告:3巻84頁1・2コマ)。
  4. 子供への強迫的謝罪の要求:怯えた子供が「ごめんなさい」と謝罪を口にする(原告:3話24頁5コマ/被告:3巻84頁3コマ)。
  5. 口を半開きの威圧的な表情(顔面アップ): 眉をひそめ、口を半開きにした母親の顔面アップ(斜め傾き)により、狂気的な圧迫感を演出する表現手法の一致(原告:3話25頁5コマ/被告:3巻86頁1コマ)。
  6. 子供自身の口から友達を断らせる心理的支配: 母親の圧迫を受けた子供が、自らの言葉で玄関外の同級生に対し、原告「ママ!いいから、早くドアを閉めて!」、被告「今日は行けない」と拒絶を告げる(原告:3話26頁2・3コマ/被告:3巻87頁1・2コマ)。
  7. 同級生との交友遮断の宣告: 母親が、原告「金輪際、理央菜ちゃんに関わらないで。」、被告「もうあの子たちと遊んじゃだめよ」と告げる。(原告:3話26頁4コマ/被告:3巻87頁5コマ)。



2. 被告著作物におけるシナリオ展開の構成上の特徴と依拠性に関する検討
ビジュアルやシークエンスの共通性に加え、被告著作物の該当シーン(3巻83頁〜87頁)における登場人物の行動や日常的文脈の描写について、以下の通り展開上の特徴が確認される。

(1) 玄関先でリュックサックを背負ったままテストを見せる行動の描写

被告著作物では、下校直後の小学生(善)が「リュックサックを背負ったまま」「玄関のドアを開けた状態」で母親にテスト用紙を見せ、その場で母親から「なぜ2点足りないのか」と詰問される描写がなされている。一般的に想定される帰宅後の動作(家の中に入り、鞄を下ろし、用途に応じた準備を整えた上で会話をする等)と比較すると、家の中に入ることなく開け放たれた玄関先で即座にテストの確認と叱責が開始される構成は、生活描写として特徴的な選択であるといえる。

(2) 実写映画版における演出変更に関する考察

この「開け放たれた玄関先でテストを見せて叱責される」という原作漫画の描写について、被告著作物の実写映画版では「善の友達が窓から家の中を覗き見る」という異なる構図へ変更されている点が挙げられる。この演出上の変更は、原作漫画における「玄関を開けた状態での叱責」というシチュエーションを映像化・実写化するにあたり、より客観的な表現やリアリティを追求した結果としてなされた可能性が考えられる。

(3) 「プロット上の要請」と原告著作物における演出構造との対照

仮に、被告側が「後続展開において友達(サトル)に目撃させる必要(プロット上の要請)があったため、ドアを開けた状態を選択した」と主張した場合であっても、友達に目撃させるための演出手法としては、実写映画版のように「窓越しに目撃する」「屋外から叱責の声を聞き取る」など複数の選択肢が存在し得たと考えられる。
それにもかかわらず、原作漫画において「玄関先でドアを開けたまま同級生と母親が対面し、子どもを排除・叱責する」という構成が選択された背景としては、原告著作物における「独占的な母親が玄関先で同級生を追い返し、交友関係を遮断する」という特定の演出シークエンスおよびビジュアル構造との共通性が影響している可能性が挙げられる。
原告著作物の枠組みを導入し自作のストーリー展開と接合するプロセスにおいて、展開上の齟齬が生じ、結果として上述したような特徴的な展開(リュックを背負ったまま玄関先でテストを見せて叱責される)が形成された可能性を検討する余地がある。

(4) エピソード接続における描写上の特徴

さらに、上記「玄関先での叱責・同級生の排除」から、直後の「公園での子猫との遭遇」に至るシークエンス(3巻88頁〜89頁、105頁〜107頁)において、登場人物の動線や物品の配置に関して以下の描写が見られる。

  • 行動と物品描写の関係:
    前ページにおいて母親から玄関先で制限を受けた直後、善少年は同一の私服および学校用リュックサックを背負った状態で公園のベンチに座っている。一度帰宅していると仮定した場合に学校用リュックを背負って再度外出している点や、帰宅前であると仮定した場合に「友達に渡す予定であったプレゼント」を所持している経緯など、動線上の説明において検討を要する描写が含まれている。
  • 表現の組み合わせによる影響:
    このような特徴的なシチュエーションが生じた背景として、原告著作物に存在する「支配的な母親による玄関先での排除演出」およびそれに続く「過去に子猫を拾うエピソード」という2つの構成要素を導入・繋ぎ合わせる過程において、独自の合理的なストーリーラインの構築が十分になされなかった可能性が考察される。

(こちらの展開に続く)


【小括】
被告著作物における該当シークエンスにおいては、自作上のプロット(友達への虐待の発覚)と、原告著作物に見られる演出の枠組み(玄関先での同級生の排除、子猫との遭遇)とが複合的に見られる中で、日常的な行動様式とは異なる特徴的な描写が存在している。
このような劇中設定や登場人物の動線に見られる構成上の特徴は、単なる現実のリアリティのみに基づいて独自に構築されたものというよりは、原告著作物の「独占的な母親が同級生を玄関先で追い返す」という固有の表現・構図パターンを意識し、それに依拠して描写を行った結果として生じた可能性を示す検討材料になり得るものと考えられる。

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作品名:「妖異可視ビジブル」
著者名: 松尾明日太
発表:2015年~2018年8月



作品名: 「見える子ちゃん」
著者名: 泉 朝樹
発表:2018年9月~
出版社: 株式会社KADOKAWA
掲載レーベル: MFC(MFコミックス)
/ WebComic アパンダ(ComicWalker)
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