自宅付近にある聖なる裏山
【考察:両著作物における「自宅付近にある聖なる裏山」の空間演出およびコマ構図の類似性分析】
原告著作物(第5話26頁・85頁)および被告著作物(第4巻8頁・15頁/第24話)における、「自宅付近の裏山に登り、聖なる(霊的な)空間の中で人物が座り込む/しゃがみ込む場面」の描写、空間演出、ならびに画面構図(レイアウト)について対照分析を行う。
1. シチュエーションおよび空間設定の共通性
- 自宅付近の裏山へ登る導入(5話26頁1〜4コマ/4巻8頁2〜6コマ): 主人公または登場人物が、自宅近くの裏山(山林)に入り、足元や木々の中を進んでいく一連のシークエンス表現が共通している。
- 「裏山」という舞台設定・属性: 単なる一般的な山林ではなく、夜間に霊的な雰囲気や幻想的な空気感を纏う「神聖な場所・聖なる空間」として位置づけられている。
- 時間帯および背景演出: 夜間の山中というロケーションにおいて、周囲を生い茂る樹木や森の輪郭で囲み、中央に登場人物を配置する背景演出手法が共通して見られる。
2. 視覚的演出・浮遊物(光の玉)およびコマ構図の共通性
特に「裏山の中で人物が座り込む/しゃがみ込む大コマ(5話85頁1コマ/4巻15頁1コマ)」において、構図および視覚効果の要素に以下の共通点が確認される。
- 白い光の玉(浮遊物)の演出: 画面全体に霊的・神聖な雰囲気を表現するための「白い球状の光(オーブ・浮遊物)」が宙に浮いているビジュアル効果が共通している。
- 画面中央への人物配置と姿勢: 画面のほぼ中央(やや下部)に登場人物(原告:少年/被告:老婆)が佇み、生い茂った木々に囲まれた中央空間で「座り込む・しゃがみ込む」体勢をとっている表現手法が共通している。
- 手前のくぼみ(水面・墓穴)と奥行き感: 手前にくぼみ(水辺・湖や穴)を配し、人物とその背後に生い茂る木々を対比させることで奥行きを出すレイアウト構造に類似性が見られる。
3. 表現手法の対照検証
【小括】
「夜の裏山に入る」という一般的な設定にとどまらず、「神聖な空気感を示す白い光の玉(オーブ)の浮遊表現」「生い茂る木々に囲まれた中央空間で人物が座り込む/しゃがみ込む体勢」「手前にくぼみを配置した奥行き感のあるコマレイアウト」といった視覚的演出・画面構成の要素において共通性が確認される。
「裏山」という設定や台詞、夜という時間帯、山の中というロケーション、ならびに絵の構図や浮遊物の描き方に至る一連の表現手法が共通している点は、被告著作物が原告著作物の「裏山シーン」における空間演出およびコマ構成を認識し、それに依拠して作成された可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。
関連リンク