「来る」との類似点
- タイトル: 『来る』
- 監督: 中島哲也
- 原作: 澤村伊智『ぼぎわんが、来る』(角川ホラー文庫刊)
- 配給: 東宝
- 公開日: 2018年12月7日
【考察:先行映画作品(『来る』)と被告著作物におけるシナリオ・モチーフ・キャラクター造形の共通性および依拠性の検証】
比較資料(映画『来る』[2018年公開/中島哲也監督]および被告著作物『見える子ちゃん』3巻・6巻・10巻[2021年〜2024年]、ならびに被告公式SNS発信資料)に基づき、シナリオ・世界観設定・キャラクター造形における共通点、ならびに依拠性について以下の通り検証・分析を行う。
1. 「山の神」「一条みちる」関連シナリオおよびモチーフ・表現における共通性
被告著作物に登場する「山の神」や、登場キャラクター「一条みちる」にまつわる一連のエピソード(10巻中心)および作中表現において、映画『来る』の冒頭・主要展開と共通する具体的モチーフ・演出が見られる。
- 「山の中の神(精霊)」および虫・蝶の表現: 「山の神(精霊)」の媒介・象徴として、山の中を蝶が舞う描写や、毛虫(イモムシ)が描写される演出構成の符合。
- 手の甲に毛虫(イモムシ)を乗せる演出: 若い女性キャラクターが手の甲に毛虫(イモムシ)を乗せる特徴的な視覚描写の共通性。
- 山の大きな木の根元にたたずむ少女の描写: 山の中の巨大な樹木の根元に、白いワンピースを着たロングヘアの少女が座っているシチュエーションおよびレイアウトの類似性。
- 片足の靴が脱ぎ捨てられた描写: 少女の片方の靴(フットウェア)が脱げ、山の中に落ちているという視覚的演出の符合。
- 「山」に関する超自然的存在の荒廃・破壊描写: 山の神(あるいは強力な怪異)が作中人物の居住空間(家・アパート)に侵入し、室内を荒らすプロット展開の共通性。
2. 最強の霊能力者およびテレビ番組・除霊演出の符合
両作品における「最強の霊能力者」の登場・演出シチュエーションおよび造形設定においても相応の類似性が確認される。
- メディア露出とショー化された除霊: 最強クラスの霊能力者がテレビ番組等のメディアに出演し、一種のショーとして霊を祓う決め台詞を口にする演出シチュエーションの符合。
- アパート・マンションでの除霊構図: 集合住宅の部屋の中庭・出入口前に立ち、正面から捉えるアングルで除霊を行うカメラワーク・レイアウトの類似性。
- 霊能力者のキャラクタービジュアル: 黒髪、ぱっつん前髪、横の髪を耳から肩へ垂らすロングヘアという、頭部・髪型造形の顕著な共通性。
3. 被告による先行作品に対する認知および依拠性に関する検討要素
被告著作者(泉朝樹氏)は、自身の公式SNS(X/旧Twitter・2020年8月8日投稿)において、映画『来る』の登場人物(比嘉琴子・逢坂セツ子)を描いたファンアートを「来る 琴子様かっこよすぎた。セツ子さんも。」とのコメントと共に投稿している。
この事実は、被告が先行著作物である映画『来る』(2018年公開)を直接試聴・鑑賞し、そのキャラクターデザインや世界観・演出手法を認識していたことを示す客観的な事情として考慮される。
先行映画作品(『来る』)に見られる複数の特徴的なモチーフや演出手法が被告著作物において描かれている点、ならびに先行作品への閲覧・接触の言及事実を総合すると、被告著作物の該当シナリオおよびビジュアル表現は先行する映画作品の具体的な表現形式を認識し、それに依拠して作成された可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。
【小括】
本件該当箇所については、「一条みちる」を中心とするシナリオ上のモチーフ(山の中の樹木、白ワンピースの少女、脱げた片足の靴、毛虫・蝶の描写、室内の荒廃)から、最強の霊能力者のビジュアル・テレビ演出に至るまで、先行映画作品(『来る』)における特徴的な表現要素との間に相応の共通性が確認される。
さらに、被告自身のSNS投稿により先行作品への接触や認知の経緯が客観的に示されている点などの事情が存在する。
これらの複数の構造的・視覚的要素における共通点や接触事実を総合的に考慮すると、被告著作物の該当シナリオおよびビジュアル表現は先行する映画作品における具体的な表現形式を認識し、それに依拠して作成された可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。
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