水面に顔の上部を出す女性のモンスター
タイトル: 『不安の種』(※続編作品:『不安の種+』『不安の種*』)
著者(作者): 中山昌亮
出版社: 秋田書店
掲載誌 / 出版レーベル: 週刊少年チャンピオン、別冊少年チャンピオン / 少年チャンピオン・コミックス
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【考察:第三者著作物(『不安の種+』および『不安の種』)の複数デザインを組み合わせた被告著作物における「水面に顔の上部を出す女性のモンスター」の造形的特徴および構図の統合的類似性の検証】
比較資料(『不安の種+』1巻42頁アップ・小[2007年]、『不安の種』3巻80頁1コマ[2004年]、および被告著作物5巻42頁・42頁1コマ[2021年]、ならびに著作者インタビュー資料)に基づき、先行著作物における2体の怪異・モンスターの表現要素の結合・統合(融合)、構図・シチュエーションの関連性、ならびに依拠性について以下の通り検証・分析を行う。
1. 先行著作物における2体のモンスター表現の統合(結合)に関する検証
被告著作物5巻(42頁1コマ)に登場する怪異については、単一の先行表現のみならず、『不安の種』シリーズ内に存在する2通りの特徴的ビジュアル表現を併せ持たせた(結合させた)構造として、相応の共通性が確認される。
- 1つ目の要素(『不安の種+』1巻42頁との共通点):
- シチュエーション・構図: 水面(あるいは物体・境界線)から顔の上部(目元より上のライン)のみを出す配置・構図の類似性。
- 髪型・目元の表現: 濡れて束になり乱れた黒髪が顔面に覆いかぶさる描写、大きく開かれた目元、および肌全体に施されたスクリーントーンの砂目(ザラザラした質感・陰影表現)の共通性。
- 2つ目の要素(『不安の種』3巻80頁1コマとの共通点):
- 顔面下部・影の演出手法: 枠組み・境界(水面や扉の隙間等)から覗く顔面において、鼻から下の口元が隠れた演出手法の符合。
2. 複合的な意匠の融合による造形上の共通性
「水面から顔の上部のみを出す女性モンスター」の構図・作風・質感(『不安の種+』1巻)に対し、「鼻から下を隠す顔面表現」(『不安の種』3巻)という、いずれも中山昌亮氏の作品群に見られる視覚的手法を組み合わせて描写している点において、造形的・技術的選択における重なりが認められる。
3. 先行著作物に対する認知および依拠性に関する検討要素
被告著作者(泉朝樹氏)は公刊されたインタビュー記事において、学生時代に中山昌亮氏の『不安の種』を閲覧し「印象に残っている」旨を公に述べている。
先行著作物(『不安の種』シリーズ)に登場する「水面から顔を出す構図」と「下半面を隠す顔面構造」という2つの特徴的要素が被告著作物5巻(2021年)において統合・再現されている点、ならびに先行著作物への閲覧・接触の言及事実を考慮すると、被告著作物の該当描写は先行著作物の複数の具体的表現を認識し、それらを組み合わせる形で作成された可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。
【小括】
本件該当箇所については、水面から顔の上部を出す構図や乱れた黒髪・砂目質感の描写(『不安の種+』1巻42頁)と、顔面下部を隠す描写演出(『不安の種』3巻80頁)という、先行著作物における2通りの特異な表現手法を組み合わせた構成において相応の類似性が確認される。
こうした複数要素の統合的な符合に加え、被告著作者自身が先行著作物への接触や認知の経緯について公に言及している点などの事情が存在する。
これらの要素を総合的に考慮すると、被告著作物の該当描写は先行著作物における具体的な表現形式群を認識し、それに依拠して再現された可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。
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