目を手で覆う
【考察:両著作物における「両手で顔・目を覆い指の隙間から見つめる描写」の構図および視覚演出に関する類似性分析】
原告著作物(第6話76頁2コマ)および被告著作物(第4巻76頁2コマ)における、恐怖や焦燥感から両手(または手)で顔面・両目を覆い、指と指の隙間から片目(または目)を開けて前方を見つめる視覚的構図、アングル、および表情演出について対照分析を行う。
1. 視覚的構図およびカメラワークの共通性
- 構図とアングル: 人物の顔面・目元を画面いっぱいに捉えた近接アップ(クロースアップ)の構図が共通している。
- 手指の配置表現: 自分の両手(指)を顔・目元にあてがい、視界を遮るように覆いながらも、完全に隠し切るのではなく「指と指の隙間を開け、そこから片目を覗かせる」という視覚的レイアウトが共通している。
- 反転処理による共通性の検証: 原告著作物のコマ(6話76頁2コマ)を左右反転させて比較した場合、指の角度、隙間の位置、および隙間から開かれた瞳(眼球)の見え方などの構成要素に類似性が認められる。
2. 心理描写および演出効果の共通性
- 視線と表情の緊張感: 直面している恐ろしい事象から目を背けたい心理(顔を覆う動作)と、葛藤・恐怖(指の隙間から覗く動作)を同時に表現する心理演出の手法が共通している。
- 瞳・眼球の描写: 指の隙間から覗く瞳は大きく見開かれ、焦燥や怯えをはらんだ特有の眼光表現(ハイライトや瞳孔の開眼)において重ね合わせが見られる。
【小括】
「恐怖のあまり顔を覆いつつも、指の隙間から覗き見る」という演出自体は一般的なホラー・心理描写にも存在するものの、顔面の画面占有率(クローズアップ)、両手・手指を配する角度、指の隙間から覗く瞳のサイズやアングルに至るまで、視覚的パーツの配置構成において共通性が確認される。
原告著作物の該当コマを反転・補正した際に視覚的要素の重なりが見られる点は、単なる偶然の着想の一致にとどまらず、被告側が原告著作物の印象的なカット割りと構図パターンを認識し、それに依拠して描写を行った可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。