若い女性が布団をめくると中にモンスターがいるシーン
- タイトル: 『呪怨』(※オリジナルVシネマ版/ビデオ版)
- 監督・脚本: 清水崇
- 制作・発売元:東映ビデオ(※制作:ケイエスエス / 東映ビデオ)
- リリース年(公開年): 2000年(※制作:1999年)
【考察:先行映像作品(映画『呪怨』)と被告著作物における「若い女性が布団をめくると中に怪異(モンスター)が存在するシーン」のシチュエーションおよび構図・視覚演出の高度な一致の検証】
比較資料(映画『呪怨』[2003年制作/東映ビデオ]および被告著作物1巻14頁1コマ[2019年])に基づき、シチュエーション、構図・アングル、演出手法、ならびに依拠性について以下の通り検証・分析を行う 。
1. シチュエーションおよびプロット展開における高度な一致
両作品に描かれている場面は、怪異表現における日常空間の侵害を描いた特異なシチュエーションであり、以下の具体的展開を高度に共有している 。
- 発生場所・状況: 寝室等の室内において、若い女性の登場人物が自ら布団(寝具)をめくる動作を行う状況の一致
。 - 遭遇・怪異の存在箇所: 通常であれば安全な寝床であるはずの布団の内部・隙間に、異形・正体不明の怪異(化け物・モンスター)が潜伏・出現しているという演出構造の符合
。
2. 構図・カメラアングルおよび視覚演出の合致
- 画角・構図の類似性: 登場人物(若い女性)の手元および頭部後方からの視点を取り入れつつ、めくられた布団の暗がりの中から顔を出して登場人物を直視する怪異を正面対峙の形で捉える構図・レイアウトの一致
。 - 恐怖演出の共通性: 暗い布団の内部から不気味な顔面が覗く視覚的ギャップおよび心理的ショック効果を狙った演出手法の完全な符合
。
3. 先行映像著作物(『呪怨』)に対する依拠性に関する検討要素
映画『呪怨』シリーズにおいて代表的なシーンとして広く知られる「布団の中に怪異が存在し、布団をめくった人物と対峙する」という特徴的なシチュエーションおよび画面構成が、被告著作物1巻(2019年)において見られる点について、演出手法や構図における相応の共通性が確認される。
当該シーンにおける特徴的なシチュエーション・構図の符合や先行作品の周知性等の事情を考慮すると、被告著作物の該当描写は先行する映像作品の具体的な表現形式を認識し、それに依拠して作成された可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。
【小括】
本件該当箇所については、「若い女性が布団をめくると、その内部に不気味な怪異が存在する」という特徴的なシチュエーション、ならびに手元から布団の暗がりと怪異の顔面を映し出す構図・演出技法において、先行映像作品(映画『呪怨』)における表現との間に相応の共通性が確認される。
こうした一連の演出・構図要素における共通点や先行作品の周知性等の事情を総合的に考慮すると、被告著作物の該当描写は先行著作物における具体的な表現形式を認識し、それに依拠して再現された可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。