道端の不気味な男性モンスター
- タイトル: 『不安の種』(※続編作品:『不安の種+』『不安の種*』)
- 著者(作者): 中山昌亮
- 出版社: 秋田書店
- 掲載誌 / 出版レーベル: 週刊少年チャンピオン、別冊少年チャンピオン / 少年チャンピオン・コミックス
漫画の口コミ情報サービス・読書管理アプリ『comicspace(コミックスペース)』および漫画Webメディア『コミスペ!』は、2026年4月をもってサービスが終了しています。運営会社は株式会社comicspace(Helixes関連会社)でした。
【考察:第三者著作物(『不安の種*』)と被告著作物における「道端の不気味な男性モンスター」の造形的特徴および構図・演出手法の高度な一致と複数回にわたる還用の検証】
比較資料(『不安の種*』1巻110頁1コマ[2020年]および被告著作物8巻28頁1コマ[2022年]・10巻142頁1コマ[2024年]、ならびに著作者インタビュー資料)に基づき、造形上の詳細な一致点、構図・ポーズの符合、同一デザインの複数回にわたる使用、依拠性について以下の通り検証・分析を行う。
1. 顔面造形および描画技法における高度な一致
先行著作物(『不安の種*』)の該当コマと被告著作物の描写は、単なる概念(道端に立つ不気味な男性)にとどまらず、以下のようなきわめて具体的かつ特異な顔面器官の造形および作画技法を高度に共有している。
- 目元・眉の造形表現: ハイライトのない大きな黒目、目元に斜線を入れて陰らせる描画手法、ならびに眉毛が離れてハの字に下がっている表情的特徴の一致。
- 口元の構造と描写手法: 口を大きくぽかんと開けている形状、内部の歯や舌などの描写を排して黒く塗りつぶしている作画表現の符合。
- 髪型・顔面全体の表現: 前髪が短くギザギザとした形状である点、および顔全体に斜線を引き陰影(顔面の暗さ)を描写する作画技法の一致。
2. 佇まい・衣装および立ち姿(構図)の類似性
- 服装および体形の共通性: 襟のある服(ポロシャツ・シャツ類)を着用した男性の形状をとっている点の符合。
- 道端におけるポーズと存在感: 街路・道端において正面を向き、不気味な存在として佇む構図および視覚的配置手法の類似。
3. 複数巻(8巻・10巻)にわたる繰り返し使用と物語上の重要性
被告著作物において本件該当モンスターの造形表現は、一度の登場にとどまらず、複数巻(8巻28頁1コマ、10巻142頁1コマ等)にわたり繰り返し登場している。物語の核心に関わるキャラクターとして継続的に描画・使用されている点は、偶発的な一致ではなく、特定のビジュアルデザインを意図的に採用・反復した結果であることを客観的に示している。
4. 先行著作物に対する認識および依拠の裏付け
被告著作者(泉朝樹氏)は公刊されたインタビュー記事において、学生時代に中山昌亮氏の『不安の種』を閲覧し「印象に残っている」旨を公認している。先行著作物(『不安の種*』1巻110頁1コマ)に存在する特異な顔面構造・描画手法が被告著作物において忠実に再現され、かつ複数回にわたって使用されている点、ならびに先行著作物への認知の事実を総合すると、被告著作物の該当描写は先行著作物の具体的表現に直接依拠して作成された蓋然性がきわめて高い。
【小括】
本件該当箇所については、大きく開いた黒塗りの口、ハの字に下がった離れ眉、斜線による目元の陰影表現、前髪のギザギザとした形状、ならびに襟付き服の着用に至るまで、先行著作物(『不安の種*』)における視覚的表現との間に相応の共通性が確認される。
さらに、こうした特徴的なデザイン要素が被告著作物内の複数巻(8巻および10巻)にわたり反復して使用されている点、ならびに被告著作者自身が先行著作物への接触や認知の経緯について公に言及している点などの事情が存在する。
これらの要素を総合的に考慮すると、被告著作物の該当描写は先行著作物における具体的な表現形式を認識し、それに依拠して描かれた可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。