斧を持つ人物・顔に包帯を巻いた人物
- タイトル: 『ベルセルク』(BERSERK)
- 著者(作者): 三浦建太郎(※2021年5月以降の連載・監修表記:スタジオ我画/描画:森恒二)
- 出版社: 白泉社
- 掲載誌 / 出版レーベル: ヤングアニマル / ジェッツコミックス(現・ヤングアニマルコミックス)
【考察:第三者著作物(『ベルセルク』)と被告著作物における「斧を持つ処刑人・包帯を巻いた人物」の構図・造形上の酷似性および要素結合の検証】
比較資料(『ベルセルク』2巻107頁5コマ・108頁1コマ[1991年]および被告著作物2巻114頁1コマ・2コマ・124頁[2019年]、ならびにSNS投稿資料)に基づき、構図および造形上の詳細な一致点、複数要素の結合、依拠性について以下の通り検証・分析を行う 。
1. 構図・ポーズおよびシチュエーションの高度な一致
両作品における描写は、「処刑」(人に向かって斧を振りかざす)という同一の劇的シチュエーションにおいて、以下の視覚的要素を共有している 。
- 斧を掲げるポーズと構図: 両手に持った大斧を縦方向に深く振りかざし、それを正対(正面)から捉えた威圧的な画面構成・ポーズが一致している
。 - 同一の役割・演出: 双方とも対象を「処刑」(人に向かって斧を振りかざす)
- する役割を果たす存在として描写されている
。
2. 顔面造形における特異な視覚的特徴の符合
頭部・顔面の造形において、偶発的とは考え難い複数の特徴的要素が符合している 。
- 包帯の配置: 顔面全体に包帯(布)が巻きつけられており、特に顔面中央を横切るように横方向の帯が走る構造が一致している
。 - 目および口の表情表現: 包帯の間から片目のみを大きく見開いている点、ならびに口を大きく開けて上下の歯を剥き出しにしている表情的特徴の合致
。
3. 先行著作物における複数キャラクター要素の結合(再構成)
- 要素の抽出と合成: 先行著作物である『ベルセルク』の同一処刑シーンに登場する「斧を縦に振りかざす処刑人」の構図・身体ポーズと、「顔面に包帯を巻かれ処刑される人物」の顔面造形という二つの要素を組み合わせ、一体のモンスターとして構成している表現手法上の特徴が見られる。
- 依拠性に関する検討要素: 被告著作者(泉朝樹氏)がSNS上等で『ベルセルク』の模写を行った経緯や影響を受けた旨について言及している点などの事情は、被告側が先行著作物の該当シーンおよび造形表現を認識・参照したうえで制作を行った可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。
【小括】
本件該当箇所については、大斧を縦に振りかざす正面構図にとどまらず、顔面に巻かれた包帯の配置、見開かれた片目、剥き出しの歯といった特徴的な顔面表現に至るまで、『ベルセルク』における該当描写との間に相応の共通性が確認される。
特に、『ベルセルク』内の「処刑人(ポーズ)」と「被処刑者(顔面造形)」という同一シーン内に登場する二つの要素を組み合わせ、一体の怪異として構成している表現手法上の特徴に加え、被告著作者自身が先行著作物への接触や模写の経緯について言及している点などの事情が存在する。
これらの要素を総合的に考慮すると、被告著作物の該当箇所は先行著作物における具体的な創作的表現を認識し、それに依拠して再構成された可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。