大きな口と歯のモンスター
- タイトル: 『不安の種』(※続編作品:『不安の種+』『不安の種*』)
- 著者(作者): 中山昌亮
- 出版社: 秋田書店
- 掲載誌 / 出版レーベル: 週刊少年チャンピオン、別冊少年チャンピオン / 少年チャンピオン・コミックス
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【考察:第三者著作物(『不安の種+』)と被告著作物における「大きな口と歯のモンスター」の造形的特徴および体形・ポーズ・演出手法の高度な一致の検証】
比較資料(『不安の種+』3巻28頁29頁1コマ[2008年]および被告著作物8巻71頁4コマ・102頁1コマ・103頁1コマ[2022年]、ならびに作中描写および著作者インタビュー資料)に基づき、造形上の詳細な一致点、全体フォルム・ポーズの符合、依拠性について以下の通り検証・分析を行う 。
1. 顔面器官の不在と巨大な口・歯の特異な造形的一致
両作品に登場する怪異・モンスターは、単なる概念(大きな口を持つ怪異)にとどまらず、以下のような極めて具体的かつ構造的に特異な造形要素を高度に共有している 。
- 顔面器官の欠如と巨大な口の配置: 目や鼻などの顔面パーツが一切存在せず、顔面部分の全面に巨大な人間の口(開口部)のみが配置されている特殊な構造の一致
。 - 歯茎むき出しの開口描写: 口が大きく開かれており、内部に上下の歯および歯茎がむき出しになった形状で整然と描かれている表現手法の符合
。
2. 体形構造・ポーズおよび異形演出の共通性
- 伸長した体幹と先端膨大部: 全体的に手足などがなく(あるいは極めて退化・不鮮明であり)、全身が長く、先端(頭部側)が大きく太く丸みを帯びて膨らんだ特異な形状の類似性
。 - 前傾・垂れ下がりポーズ: 長い身体を持ち、大きく太い頭部(口構造)を前方へ傾け、下方に垂れ下げるように維持する特徴的な姿勢・ポーズの一致
。 - 擬音・台詞による演出手法: 被告著作物において「ギッ」、先行著作物において「チィィィィィッ」等の独特な擬音・効果音が配され、異形な開口部から発声・台詞を吐き出す表現演出の符合
。
3. 先行著作物に対する認知および依拠性の裏付け
被告著作者(泉朝樹氏)は公刊されたインタビュー記事において、学生時代に中山昌亮氏の『不安の種』を閲覧し「印象に残っている」旨を公認している 。先行著作物(『不安の種+』3巻)に存在する「目鼻がなく巨大な口と歯茎のみで構成された頭部」「手足がなく長く伸びた体幹」「前方に頭部を垂れ下げる姿勢」というきわめて独創的かつ特異な造形・構図の複合体が被告著作物8巻(2022年)において再現されている点、および先行著作物への閲覧・接触の事実を鑑みると、被告著作物の該当描写は先行著作物の具体的表現に直接依拠して作成された蓋然性が極めて高い 。
【小括】
本件該当箇所については、目や鼻を排して歯茎のむき出しになった巨大な口のみを配置した顔面構造、手足を欠いた長く伸びる体幹フォルム、ならびに大きく丸い頭部を前方へ垂れ下げる特徴的な姿勢に至るまで、先行著作物(『不安の種+』)における視覚的表現との間に相応の共通性が確認される。
こうした複数の構造的・視覚的要素における共通点に加え、被告著作者自身が先行著作物への接触や認知の経緯について公に言及している点などの事情が存在する。
これらの要素を総合的に考慮すると、被告著作物の該当描写は先行著作物における具体的な表現形式を認識し、それに依拠して描かれた可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。