馬と人型と雄山羊を混ぜたモンスター
- タイトル: 『ベルセルク』(BERSERK)
- 著者(作者): 三浦建太郎(※2021年5月以降の連載・監修表記:スタジオ我画/描画:森恒二)
- 出版社: 白泉社
- 掲載誌 / 出版レーベル: ヤングアニマル / ジェッツコミックス(現・ヤングアニマルコミックス)
メディアミックス化(2021年)
- タイトル(企画名): 『見える子ちゃん』オンラインくじ
- 著者(原作): 泉朝樹
- 出版社(原作): KADOKAWA
- 運営会社(サイト提供元): 株式会社KADOKAWA(くじ引き堂)
- 掲載URL:
https://kujibikido.com/lp/mierukochan/ - 権利表記(コピーライト): ©泉朝樹・KADOKAWA刊/見える子ちゃん製作委員会
- タイトル: 『見える子ちゃん』
- 著者(原作): 泉朝樹
- 監督: 小川優樹
- 出版社(原作): KADOKAWA
- アニメ制作会社: Passione(パッショーネ)
- 製作幹事・権利元: 「見える子ちゃん」製作委員会
【考察:第三者著作物(『ベルセルク』)と被告著作物における「馬・人型・雄山羊の複合怪異」の造形的特徴および文脈的整合性の検証】
比較資料(『ベルセルク』17巻50頁3コマ・19巻60頁1コマ[1999年]および被告著作物1巻134頁1コマ上部アップ・9巻94頁1コマ・巻末設定画「リビングの化物」[2019年〜2025年])に基づき、造形上の詳細な一致点、モチーフの必然性、ならびに依拠性について以下の通り検証・分析を行う。
1. モンスター造形における複数の特異な視覚的特徴の一致
両作品に登場する怪異は、馬・人型・雄山羊等の要素を混成させた以下の形態的意匠を高度に共有している。
- 頭部・顔面の構造: 馬のように前後に長い輪郭、タテガミの配置、丸く大きく見開いた目(眼孔の造形)、および馬特有の上下の歯を剥き出しにして開口する表情的表現の一致。
- 解剖学的器官および鼻・耳の位置関係: 人間的な鷲鼻構造や馬の鼻腔構造が混在する点に加え、耳の配置において「獣の耳」と「人型の耳」が同時に組み合わされる特殊な発想・配置の符合。
- 肢体・行動表現: 人間の腕の形状をした長い前肢、山羊状の下半身および蹄(ヒズメ)の構造、さらには「若い女性に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ」「片言の言葉を話す」「舌を出して対象を舐める」といった行動演出上の共通性。
2. 先行著作物の文脈・ルーツと被告著作物における描写的根拠の不鮮明さ
- 先行著作物(『ベルセルク』): 動物の馬に邪気が憑りつき、馬から人型の魔物へと変身を遂げるストーリー上の文脈が存在する。そのため、馬の耳の位置に魔物が取り憑いた痕跡が残り、結果として「馬の耳」と「人型の耳」が共存する造形となった明確な設定・ルーツ(背景)が存在する。
- 被告著作物: 被告作品における「リビングの化物」には、そのような変身プロセスや設定上のルーツが示されておらず、なぜ「人間と馬の中間的な鼻形状」や「獣耳と人耳の重複配置」といった特異なデザインに至ったのか、文脈上の根拠や必然性を欠いている。
3. 被告側による先行著作物への接触・依拠の裏付け
被告著作者(泉朝樹氏)はSNS上において、「ベルセルクから多大な影響を受けました」「模写した画像が残ってるはず」等と発言しており、先行著作物である『ベルセルク』に対する日常的な閲覧・模写の事実を公認している。
【小括】
本件モンスター描写については、馬・人型・雄山羊の要素が融合した解剖学的特徴(馬状の頭部と歯、鷲鼻、重複する耳の配置、人型の腕部等)から行動演出に至るまで、『ベルセルク』における該当描写との間に相応の共通性が確認される。
先行著作物においてはストーリー展開に基づく必然的なデザイン成立過程が存在するのに対し、被告著作物における該当描写の配置や設定上の文脈、ならびに被告著作者自身が『ベルセルク』からの影響や模写の経緯について公に言及している点などの事情が存在する。
これらの要素を総合的に考慮すると、被告著作物の該当描写は先行著作物における具体的な創作的表現を認識し、それに依拠して制作された可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。