顔が集結した顔と円の口を持つモンスター
- タイトル: 『ベルセルク』(BERSERK)
- 著者(作者): 三浦建太郎(※2021年5月以降の連載・監修表記:スタジオ我画/描画:森恒二)
- 出版社: 白泉社
- 掲載誌 / 出版レーベル: ヤングアニマル / ジェッツコミックス(現・ヤングアニマルコミックス)
メディアミックス化(2021年)
- タイトル(企画名): 『見える子ちゃん』オンラインくじ
- 著者(原作): 泉朝樹
- 出版社(原作): KADOKAWA
- 運営会社(サイト提供元): 株式会社KADOKAWA(くじ引き堂)
- 権利表記(コピーライト): ©泉朝樹・KADOKAWA刊/見える子ちゃん製作委員会
【考察:第三者著作物(『ベルセルク』)と被告著作物における「顔が集結した顔と円の口を持つモンスター」の造形的酷似性および商業展開の検証】
比較資料(『ベルセルク』20巻147頁・212頁[2000年]および被告著作物1巻54頁/設定画[2019年]、ならびにメディアミックス商品画像)に基づき、造形上の詳細な一致点および商業展開の実態について以下の通り検証・分析を行う。
1. 造形および視覚的特徴の極めて高度な一致(トレーシング・模写レベルの符合)
両作品に登場する怪異・モンスターは、単なるアイデアの共通にとどまらず、細部の解剖学的意匠に至るまで酷似している。
- 頭部・表皮の造形: 複数の人間状の顔面(人面)が集結して形成された頭部構造を持ち、表皮全体が斑点模様および薄墨色(トーン)状の質感で覆われている点。
- 目および口の形態: 丸く見開いた目(黒目が小さい造形)とその周囲を囲む黒ずみ、歯が生えている口部構造の符合。
- 後頭部および肢体構造: 後頭部側にも同一の顔面(人面)構造が配置されている点、ならびにイモムシ状に長く伸びた身体構造が完全に整合している点。
2. 先行著作物の具体的表現に対する依拠性・なぞり描きの蓋然性
被告著作物における該当コマ(1巻54頁1コマ後頭部アップ)および設定画「捕食する化物」の描写は、先行する『ベルセルク』20巻のコマ(147頁・212頁)の陰影、輪郭線、パーツ配置をトレース(書き写し)したと判断せざるを得ないほど密接に符合している。これは独立して創作されたとは考え難く、先行著作物の具体的表現に直接依拠して描かれたことを強く示唆している。
3. 依拠表現のメディアミックスおよび二次的商業利用(収益化)
当該モンスター造形は、単に漫画単行本内に掲載されているにとどまらず、アニメ化(メディアミックス)に伴い単体キャラクターとして抽出され、缶バッジ等の公式キャラクターグッズ(くじ引き堂『見える子ちゃん』オンラインくじ等)として製品化・販売されている。依拠性の極めて高い表現がそのまま商業化され、利益を生み出している実態が存在する。
【小括】
本件モンスター描写については、複数の人面が集結した頭部構造、円形口部における歯の生え方、後頭部の人面配置、ならびに長尺の身体構造に至るまで、『ベルセルク』における該当描写との間に相応の共通性が確認される。
これらの造形上の共通性は、単なる一般的概念の重複にとどまらず、先行著作物の具体的な表現形式を認識し、それに依拠して描かれた可能性を検討するうえでの客観的な判断材料になり得るものと考えられる。
さらに、該当する表現がアニメーション化や各種グッズ販売などを通じて広く商業的に利用されている状況が存在する点についても、本件における影響の程度や客観的な経緯を検討するうえでの判断要素となり得るものと考えられる。