コンテンツに移動します

モンスターの描写(人に絡みつく腕) - 原告「妖異可視ビジブル」被告「見える子ちゃん」の著作権侵害裁判まとめ

原告「妖異可視ビジブル」、被告「見える子ちゃん」裁判まとめ
メニューをスキップ
メニューをスキップ
モンスターの描写(人に絡みつく腕)

詳細情報

【検証記録:描写造形およびデジタル加工模写の比較検証】

【主題】
対象物・人間に絡みつく「腕・手」のモンスター造形および描画形態の比較分析
原告著作物『妖異可視ビジブル』(第2話・第4話)および被告著作物『見える子ちゃん』(第1巻)における、「物体(ギター・机など)から生える・絡みつく多数の腕・手のモンスター描写」における視覚的表現、および「手の作画パーツ」の直接的な模写・流用痕跡について比較検証を行う。

デジタル環境下におけるマンガ制作においては、既存素材の切り抜き、回転、反転、拡大・縮小といった加工処理が容易に行われる。本検証では、原告作品において描かれた特有の「手」の描写パーツ(①〜⑤)と、被告作品の複数場面に散見される「手」の描画が、関節の曲がり方・指の開き具合・爪の形状・陰影処理に至るまで一致しており、手描きによる自然な偶然の一致では説明がつかない描画痕跡が存在することを提示する。


【各描写・造形要素の具体的対照】
1. 共通する描写・質感・演出表現
  • 出没形態: 物体(ギター・机など)や人物の背後・体表面から生えるように無数の腕が出現する(原告4話8頁2コマ/被告1巻38頁1コマ)。
  • 質感・トーン処理: 腕の色は濃いカケアミやトーン処理によって暗く加工され、腕の周囲からは黒いモヤ状の演出が立ち上る(原告4話12頁1コマ/被告1巻40頁1コマ)。
  • 根元と指先の造形: 腕の根元部分がモヤ状の演出によって隠されており、黒く尖った爪が強調される描画技法が一致する。

2. 「手」の作画パーツごとの個別対照と模写・流用痕跡の分析
  • 【パーツ①の対照】(親指と人差し指の開き・湾曲の角度)
    • 原告(4話12頁1コマ・上部): 親指と人差し指が大きく円状に開き、中指・薬指・小指が段階的に内側へ屈曲する特有の「手」の作画。
    • 被告(1巻41頁5コマ・右胸部): 原告パーツ①と指の開き具合、曲がり角、陰影のトーン位置が完全符合。
  • 【パーツ②の対照】(屈曲した中指と薬指の関節角度)
    • 原告(4話12頁1コマ・中央): 第一関節および第二関節が深く折れ曲がり、手の甲に影が落ちる「手」の作画。
    • 被告(1巻41頁5コマ・中央部): 関節の折りたたまれ方および全体の輪郭線が原告パーツ②と一致。
  • 【パーツ③の対照】(下方向に伸びる指先の角度と爪の先端形状)
    • 原告(4話12頁1コマ・下部): 人差し指・中指が伸び、薬指・小指が内側へ巻き込まれる下向きの「手」の作画。
    • 被告(1巻40頁1コマ・下部): 原告パーツ③と指先の開き具合・描線のアングルがほぼ同一の形態を示す。
  • 【パーツ④の対照】(回転加工を伴う模写・流用痕跡)
    • 原告(2話26頁4コマ「妹の背後霊」): 外側に向かって開かれた独特の「手」の描画。
    • 被告(1巻37頁1コマ・肩付近): 原告作品のパーツ④を回転・傾斜加工を施した形状と、被告作品の肩口に置かれた「手」の輪郭線・指の長さ比率が合致。
  • 【パーツ⑤の対照】(ギターに絡みつく手の回転・拡大加工)
    • 原告(4話48頁2コマ): ギターのボディ左下に配置された、手のひらを丸めて掴むような「手」の描画。
    • 被告(1巻45頁3コマ): 原告パーツ⑤を回転処理した描画と、被告作品の体正面に置かれた「手」の指の屈曲・影の境界線が一致。


【小括】
人間の「手」というモチーフ自体は多種多様な形状をとり得る汎用的な表現対象である。
しかしながら本比較検証が示す通り、①「ギターに絡みつく腕」という特殊なシチュエーションおよび黒いモヤ・トーン処理の表現手法が合致している点にとどまらず、②原告が作画した特定の「手」のパーツ(パーツ①〜⑤)における指の関節角度、爪の描き込み、輪郭線の曲率が、角度変更や回転処理を経た形で被告作品の複数コマ(1巻36頁、37頁、40頁、41頁、45頁)に繰り返し出現している点は極めて不自然である。
デジタル作画環境において、原告作品の「手」の作画データを部分的に取り込み、回転・縮小・トレース(模写)等の加工を行った形跡を示唆するものであり、原告著作物の具体的描画表現に対する高い依拠性および複製・翻案性を裏付ける客観的証拠として提示する。


関連リンク

【当サイトにおける著作物の引用について】
当サイトでは、記事内容の研究・検証・考察を目的として、第三者の著作物(文章・画像・動画等)を引用する場合があります。引用にあたっては、著作権法第32条その他の関係法令を踏まえ、引用部分と当サイトの記述を明確に区別し、出典を明記するなど、適切な方法で掲載しています。なお、引用している著作物の著作権・肖像権等は各権利所有者に帰属します。
作品名:「妖異可視ビジブル」
著者名: 松尾明日太
発表:2015年~2018年8月



作品名: 「見える子ちゃん」
著者名: 泉 朝樹
発表:2018年9月~
出版社: 株式会社KADOKAWA
掲載レーベル: MFC(MFコミックス)
/ WebComic アパンダ(ComicWalker)
コンテンツに戻る